セクハラで起訴するには?事実を立証する方法と事例
職場で行われる性的な言動や嫌がらせを総じてセクハラ(セクシャルハラスメント)と言います。
セクハラという言葉はよく聞くかもしれませんが、その定義がはっきりしているわけなく現在でも無くならない大きな問題となっています。男女雇用機会均等法によりセクハラは禁止されており、会社側はそういった事実を見つけたら再発防止の対応を取らなければなりません。
この記事では、実際に起きたセクハラ被害の事例や、起訴するにあたって事実を立証するために必要な証拠をご紹介していきます。
セクハラで事実を立証するために必要な証拠とは?
まず始めにセクハラで起訴しようとした場合、どのように事実を立証すればよいのか分かりませんよね。
事前に事実を証明できるような証拠が準備できていなければ、相手側から「セクハラをしたという証拠を出せ!」と反感を買ってしまう可能性があります。
起訴しようとしても、裁判で認められる証拠を集めておく必要があるのです。
ここでは事実を立証するための3つの証拠となるものをご紹介していきます。
①第三者からの証言
セクハラを受けていても、その証拠を証明するのは難しいものです。
その場合、現場を目撃していた第三者からの証言を得ることができれば証拠として認められるでしょう。この時に注意が必要なのは被害者や加害者と無関係である方が証言として認められやすいということです。その理由としてどちらか一方と関係があった場合に虚偽の告発をする可能性があるからです。
②被害者側による記録
セクハラを受けていても、その詳細を細かく記録することはしないかもしれません。
しかし、被害者がセクハラを受けた日時や場所、どのようなセクハラを受けたのか(言葉や行動など)、そのセクハラに対してどのように感じたかなどを具体的に記録しておきます。それが事実であると裁判官が認めれば、後で事実関係に関して争うことになっても被害者の記録が事実であったということが認められる可能性が高くなります。
③客観的証拠
証拠として認めてもらうには、セクハラ現場を撮影した動画や写真、または会話の録音が有効になります。さらに被害に遭ったが為に精神的に問題が起きたりした場合は医師から診断書を発行してもらうという方法もあります。
証拠として認められやすいのは1.2.3という順番になります。
注意が必要なのは、承諾なく録音を取ってしまうと裁判では「無断録音」とされてしまい、証拠として否定されてしまう可能性があります。この場合、録音した物を反訳(録音した内容を書き記す)して提出するのが一般的です。
セクハラには2パターンが存在する

厚生労働省では、セクハラを2つのパターンに分けているのをご存知でしょうか?
それは「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」です。
それぞれ違ったセクハラの形であり、皆さんの周りでも無意識のうちに起きているかもしれません。事前にどのような内容なのか知っておく必要があるでしょう。
①対価型セクハラ
対価型セクハラとは、相手に対してセクハラを拒否したことで昇給・昇格に対して影響が出てしまうタイプのことを指します。
会社内での立場を利用して性的な発言や行動、さらにはボディタッチなど仕事には関係がなく、尚且つ被害者の就労環境が害されるような状況です。
実際にある例として
●仕事場で女性がいるにも関わらず、日常的に性的な発言が飛び交っている
●「セクシーな服を着てきなよ!」と性的な目で見てくる
●上司から性的な関係を迫られたが拒否した為に無視され始めた、または労働者を解雇した
対価型セクハラは、特定の人物がセクハラを行い被害者も個人のことが多いので、起訴したり慰謝料請求となるのは此の場合といえます。
つぎにご紹介するのは「環境型セクハラ」です。
②環境型セクハラ
一方で環境型セクハラは特定の人物ではなく、会社全体の環境自体がセクハラになっているパターンです。環境型が原因で、労働者が仕事場の環境に不快感を感じ能力に支障が出たり、悪影響が出てしまうことです。
実際にある例として
●仕事場にヌードポスターが提示されている為、労働者が苦痛に感じ仕事に集中できない
●上司や同僚が、特定の人物に関する性的な情報を意図的第三者へ広め、その人物が仕事が手につかない
●社内で上司が部下の腰やお尻を触ったことに苦痛を感じ仕事に対しての意欲がなくなってしまう
この他にも、環境型セクハラは会話の中で冗談半分で性的な話題が出てきたり、仕事場の人には触れられたくない容姿や恋愛に関する話が取り上げられたりするなどが挙げられます。
セクハラでの起訴と慰謝料の事例

ここではセクハラによる裁判の内容と、実際に慰謝料が支払われた事例を3つご紹介していきます
1.小学校の校長が同校の教論と他校での懇親会に出席しました。
その帰り際に校長が教論に対してわいせつ行為の強要をし、それを拒否。
校長はこの教論に対する教育上で無視をし、人事上不利益を課すなどの言動を取った。
これに対して、慰謝料50万円が認められました。
2.ホテルのフロントで会計係りを担当していた原告は、会計課長を務めていた上司(被告)と仕事終わりに食事へ出かけました。その帰り際に上司が「ホテルに行こう、裸を見せて」などと誘い、無理やり体を触れキスを要求。その結果、原告は体調を崩し退職を余儀なくされた。
これに対し慰謝料110万円(慰謝料として100万円・弁護士費用10万円)
3.被告であるピアノ教師は、原告の生徒を0歳の頃からピアノを教えていました。
中学3年生の頃にキスをし、高校入学後には下着に手を入れるなどの行為に及びます。
さらに大学に入ると体の関係を持たせた、複数回に渡って関係を持つことになります。
これにより原告は外傷後ストレス障害・解離性障害を発症。
これに対し慰謝料900万円(慰謝料として800万円・弁護士費用100万円)
まとめ
セクハラという言葉は聞き慣れていても、その内容は経験した人にしか分からず耐え難い苦痛だと言えます。基礎をして裁判になったとしても、確実な証拠の提出や証言を得る際には証人を法廷へ出廷させる必要があるなど負担が重くなるのも事実です。しかし、セクハラ被害を受けた人の中には泣き寝入りをしてしまうパターンも多いようです。もし被害を受けたがどうしていいか分からない、証拠が集められないといった場合は探偵や弁護士に相談することをお勧めします。そして、自分が最終的にはどうしたのか(辞職をするのか、慰謝料で解決したいのか)将来についても考えるようにしましょう。









